下痢の症状・原因・治療法ガイド
下痢とは
下痢は日常的に遭遇する消化器系による症状の代表的なものの一つとして挙げられます。
消化器系とは食べ物をからだに取り込んで咀嚼をして、取り込んだものを消化液で分解をして栄養を吸収する器官系を指します。
食べ物を送る消化管は口から肛門までの部分で、口腔・咽頭・食道・胃・小腸・大腸などを含みます。消化腺は唾液腺や肝臓、膵臓などに存在し、消化液を分泌しています。
下痢は液状もしくは液状に近いゆるい便を排泄してしまう状態です。健康な人が熱や痛みもなく1日に2~3回、食後に下痢をする場合は大きな心配は要りませんが、発熱を伴う下痢や慢性的に繰り返す下痢、血が混じった下痢などがみられる場合は、注意が必要です。
下痢を引き起こす様々な疾患
腸の炎症が肛門に近いほど下痢の症状が出やすくなります。
多くの下痢は急性症状としてあらわれる事が多く、急性腸炎などは日常的な暴飲暴食や食あたりなどが原因で起こります。
感染症を起こすウィルス性の下痢は特定の地域で発症することがあり、場合によっては渡航歴の確認も必要になります。
薬の副作用やアレルギーの症状として下痢を起こしてしまうこともあり、特に抗生物質などの副作用で下痢になってしまうこともあります。
アレルギーで下痢を起こす場合は、主な原因は食物であることが多いです。牛乳や乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素の働きが弱い場合にも下痢を引き起こしてしまうことがあり、日本人に多くみられる症状です(牛乳不耐症もしくは乳糖不耐症)。
慢性的な下痢を繰り返す代表的な疾患にクローン病が挙げられ、現在では国の難病指定を受け公費対象となっています(※確定診断が必要)。
血が混じった下痢の場合、鮮血がみられた時は肛門の病気や痔といった疾患が考えられますが、量が多かったり何度も繰り返しみられる場合は癌の疑いがあることもあります。
黒い便(タール便)がみられた場合には、内臓の疾患が考えられることもありますので、いつもと違う下痢の症状があった場合には医療機関で診察を受けることが重要です。