分泌性下痢
分泌性下痢
分泌性の下痢とは、腸内の分泌物が増えすぎたことによって引き起こされる下痢のことです。
急性の下痢症状を引き起こしてしまう食中毒などの細菌やウィルスの感染症がこれに当てはまり、細菌やウィルスの侵入によって腸内が炎症反応を起こします。
細菌やウィルスなどの異物から発せられる毒素を防ごうと、腸管粘膜は炎症を起こすのです。
細菌やウィルスの型が判明した場合には抗生物質が処方されることがありますが、型の合わない抗生物質では副作用として腸の炎症を引き起こしてしまうこともあるので、安易な抗生物質の服用は止めるようにしましょう。
細菌の毒素の中でも猛威を振るうのがO-157の中の特定の菌で、ベロ毒素と言うものを腸管内で放出しようとします。
この菌に感染した恐れがある場合は排せつが促されますので、自宅にある下痢止めを使用するのは厳禁です。
分泌性の下痢に含まれる疾患は腸内の炎症反応がきっかけとなっています。
炎症は長引くと更なる疾患を招く恐れがありますが、一時的な炎症反応は体を守ろうとする防御的な意味を持っているので、下痢の症状があらわれた時は排せつに集中してください。
排せつが落ち着いたら水分補給を
分泌性の下痢で一番気を付けなくてはいけないのは、脱水症状です。脱水の状態が引き起こされると、細胞の中の水分も奪われてしまうので口の渇きが続き、尿量の減少や皮膚の張りが失われるなどという状態に陥ってしまいます。
体内の異物を排出するための下痢は止めない方がいいものですが、下痢が治まらない場合には医療機関での処置が必要な場合があります。
軽い脱水症状が疑われる場合は経口補水液などで水分を補給し、医療機関では点滴などの処置が施されます。
分泌性の下痢は普段の生活の中で一番遭遇しやすい下痢ですが、適切な対処をすれば体は快方に向かいます。感染症などは予防をすることが大切ですので、手洗いやうがいは日常的に行うようにしておきましょう。