粘液混じりの下痢
粘液混じりの下痢
お腹を下してしまった時、排せつ物の中に粘液のようなものが確認されることもあります。急性の下痢症状がみられる食中毒や感染症の場合では、お米のとぎ汁の様な水っぽい排せつ物がみられることがあります。
粘液混じりの下痢は主に慢性の疾患が原因であることが多く、潰瘍性大腸炎や大腸がんなどで特徴的にみられるものです。下痢は腸の粘膜の炎症によって引き起こされ、潰瘍性大腸炎は直腸から連続した炎症が確認されます。
潰瘍性大腸炎の原因は細菌やウィルス、免疫異常や自律神経の障害などではないか、と言われていますが原因は不明で現在では国の難病指定を受けている疾患です(※指定には医療機関での確定診断が必要です)。
症状としては粘液に血が混じったような下痢が排せつされ、腹痛や発熱などを伴います。粘血便には膿が混じったような状態で1日に十数回以上の下痢をしてしまうこともあります。
このような症状は再燃と寛解(※完治した状態ではなく、症状が落ち着いている状態を示します)を繰り返し、精神的なストレスや過労、風邪などによって症状があらわれてくることもあります。
腸の炎症は薬の副作用によって引き起こされることもありますので、症状を引き起こす疾患の特定は重要な意味を持っています。
粘液混じりの下痢は放置しないこと
粘液と一緒に血が混ざったような便が排せつされた場合には、大腸がんの疑いが持たれます。
大腸がんでは下痢と便秘を繰り返すこともあり、排せつ物の中に黒っぽいかたまりが確認された場合には、上部腸管からの出血が考えられるので医療機関を受診することを考えましょう。大腸がんは増加の一途をたどっており特に女性の罹患率が高くなっている疾患ですが、早期発見による適切な処置で回復が見込まれる病でもあります。
小さながんの状態では症状が出ないこともありますが、いつまでも続く腹痛や便に粘液や血液が確認された場合には放置をしないことが大切です。