下痢をしている時の腸の状態
下痢をしている時の腸の状態
お腹を下してしまった時、お腹からポコポコと音が聞こえたり、お腹が張ったように感じることも少なくはありません。
下痢を起こしてしまう原因は様々ですが、腸が炎症を起こした時に下痢の症状が見られます。
下痢自体は悪いものではなく異物を排除しようとする正常な反応なので、やみくもに下痢止めを服用することは避けておいた方がいいでしょう。
腸の中では、排せつ物を肛門の方へ押し流そうとする「ぜんどう運動」というものが行われており、特に大腸では大ぜんどうという一気に内容物が運ばれる運動が起きています。
精神的なストレスで下痢になってしまう過敏性腸症候群という病は、腸管内に炎症などが見られず腸管の異常運動を起こす病です。
下痢が長引く時には、腸の運動異常を起こす他の疾患がないかどうかの見極めも大切です。
疾患によって腸が変容することも
特徴的な症状に下痢が挙げられる疾患では、腸そのものが変化してしまうものも少なくはありません。下痢を起こしてしまう腸は炎症を起こしている状態ですが、炎症が長引くと様々な悪影響を及ぼします。
腸の炎症が顕著な疾患に潰瘍性大腸炎が挙げられ、これは国の難病指定を受けている病です(※確定診断の必要があります)。大腸のX線写真と内視鏡の検査で、病変が分類されます。
他にも国の難病指定を受けているクローン病では、炎症が腸壁の全層に及び、腸管が狭くなったり穴が開いてしまった状態などが確認されます。
炎症が続く潰瘍性大腸炎もクローン病も適切な治療で社会復帰が望めますので、あまりにも下痢がおさまらない時は医療機関で相談を行いましょう。
大腸がんが疑われる時には下痢の他に血便もみられます。がんが進行してくると腸が狭くなっていき、便秘と下痢を繰り返す症状が見受けられます。
病気を予防するために食生活の見直しが声高に叫ばれていますが、お腹を下している時には腸の炎症を抑えるためにも刺激の強い食品などを避けることが先決です。